いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
舞希と職場に来たアタシは扉をノックした。
「失礼します。嘉齊です」
「あぁ、嘉齊さん。どうぞ入ってください」
中からスタッフである加賀美さんの声が聞こえてくる。アタシはその声に「失礼します」と返すとドアを開けた。
中に入ると、作業をしていた数名がこちらを向いた。
「うわ〜!めっちゃイケメンじゃん!隣の人!何!?嘉齊さんの彼氏!?ちょっと嘉齊さんにはもったいなくね?」
早速、一番手前にいた小川きよが舞希を見つけるなり、こちらに駆け寄って来た。
アタシに対する嫌味を交えながら……
「マジで!?チョーイケメンじゃん!!」
「マジでヤバイ〜!人形みたい〜!!」
「モデルかな?」
小川の声を皮切りに、他の社員達が舞希のもとに集まってくる。
あっという間に舞希は女子達に囲まれてしまった。