いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
案内された部屋は応接室だった──
「さ、座ってください」
「はい」
舞希とアタシは真渕先生の向かい側にあるソファーに座らされた。
しばらくして舞希にお茶が出される。
この季節だからお茶は熱いほうじ茶。
「ありがとうございます。いただきます」
舞希はそう言うと、出されたお茶を口で冷ましながら飲み始めた。
その様子を眺めながら、アタシは真渕先生の方に目を向ける。
「では、本題に入りましょうか」
「は、はい……!」
いよいよ本題に入るんだ……
なんの話かわかんないけど緊張する……
さっきから心臓がドクンドクンと高鳴っている──
「単刀直入に言います。佐久良舞希さん。貴方。うちの工房で働きませんか?」
「えっ……?」
「は……!?」
真渕先生の言葉に、アタシと舞希は思わず驚いてしまった。
舞希が……ウチで働く……!?
何コレ、わけわかんない……