いつか、絶望の底から救い出して…
第6章 Mの正体
「なんで!!」
アタシは思わず立ち上がった。
そして舞希の胸ぐらを掴む。
掴まれた舞希は驚いたように目を見開いた。
「やめなさい!嘉齊さん!」
その光景を見ていた真渕先生が慌てて止めに入るけど、今のアタシはそんなの関係ない。それぐらい怒りの感情の方が強かった。
「ねぇ!どうして黙ってたの!?もしかしてアレ?下の奴ら、才能のない奴らを哀れんでたってわけ!?」
「…………」
アタシの言葉に舞希は答えない。
ただ唇を小さく戦慄かせ、俯いているだけ。
「──ッッッッ!!」
それが馬鹿にされているみたいで余計に腹が立った。