テキストサイズ

煌めく波濤(はとう)

第1章 煌めく波濤(はとう)

 3

「おうJK、シャワー出たぞ」
 そう声を掛ける。

「あ…う、うん…」
 何かやはり、緊張?…してる感じが伝わってきた。

「大丈夫だよ、ギラギラなバスルームじゃなく、ノーマルだったから」

 そう、ラブホテルのバスルームはギラギラやガラス張りの透け透けが多いのだが、普通の感じであったし、何よりこの部屋の作り自体もほぼノーマルであった…
 ただ、ラブホテルだけにやたらとダブルベッドがでかく、左右の壁と天井がラブホテル然とした鏡が張ってあったのだ。


「あ、そうだ、そう…
 もう、いい加減にJK呼びは止めてよぉ…」

「あ、そうだな、じゃ、名前教えろよ」

「うん…『岬 碧(みさきみどり)』っていうの」

「うわっマジかぁ、格好いい名前だなぁ…」
 本当にそう思った。

「でしょう、サーファーにぴったしな名前でしょう」

「ま、確かに…そうだな」

「おじさんは?」

「山崎 純だ…」

「うわっ、フツーな名前」
 碧は笑いながら言ってくる。

「バカ、おじさんは普通でいいんだよ、さぁ、碧、シャワー浴びてこいよ」

「あ…う、うん…」
 そう言ってバスルームへと向かっていく、そして…

「おじさん、あ、純、覗くなよっ」
 そう言い捨ててドアを閉めた。

 おい、おい、呼び捨てかよ…

 俺はそう思いながらスマホを手にし、
JKの、いや、碧の名前を検索してみる。

 岬 碧、みさきみどり…と。

「うわっ」
 俺は検索した瞬間、驚いてしまう。

『岬碧…全日本ジュニア選手権準優勝』

『全日本レディースオープン、セミファイナル進出』

『世界ジュニア選手権代表内定』

 等々、もの凄い、サーフィンの情報が次から次へと出てきたのである。


「うわっ、マジか…」

 全日本レベルどころか、日本代表内定って…
 予想外、いや、想像すら出来なかった。

「あんなかわいらしいのに…」

 いや、ハンパねぇな…
 ある意味、ワクワクしてきていたのだ。

「なに、ニヤニヤしてんだよっ、スケベジジイ」

 すると、碧がバスルームから出てくるなりそう俺にカマしてきた…

「いや、碧、お前スゲーじゃん」

「あ、わたしの事、検索したのか、スケベジジイ」

「う、うん、検索した…」

「エロJKって出てきたかぁ?」
 と、笑いながら言ってくる。

「あ、うん、まぁな…」




ストーリーメニュー

TOPTOPへ