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妖艶な麗人

第1章 妖艶な麗人…

 ④

 そしてわたし自身もそんなユリさん曰く…

 同じ臭い…

 同じストッキングフェチ…

 そして同じストッキングラブ…
 
 に、心が昂ぶってきていたのだ。


「ねぇ…
 こうしてさぁ、ストッキングの上からさぁ…
 触わられたり…
 撫でられたりぃ…
 舐められたりされるのが好きなんでしょう?…」
 そう耳元で囁いてくる。

「え、あ…」

「そしてさぁ、爪先なんかも舐められただけでさぁ…」
 更にユリさんはそう囁きながら、わたしの目を覗くかのように見つめてくる。

 ドキドキ…
 心が高鳴り。

 ズキズキ…
 疼きが昂ぶってくる。

「ホントはさぁ、舐められただけでさぁ、イッちゃうんじゃぁないのぉ…」
 ユリさんは、ベリーショートのわたしの露わになっている耳元に息を吹きかけるかのように口元を近づけて、更にそう囁いてきたのだ。

「ぁ……」
 わたしはビクッと小さく震えてしまう。

「しかもさぁ…」

 まだわたしの脚を緩やかに撫でながら…

「そんなストッキングの変態女だからさぁ…
 もちろんノーパン直穿きよねぇ?…」

「え…」
 正にその通りであり、まるで、わたしを透視したかの様に全てお見通しなのだ。

 それには絶句してしまう…

「………」

 そして…
 え、なんでわかるの?…
 と、そんな想いでユリさんを見つめる。

「わたしはさぁ…
 ストッキングフェチが高じて、ううん、強過ぎちゃってさぁ…
 この世界に入っちゃった様なモンなのよねぇ…」

「え?…」

「わたしはさぁ、元々がストッキングフェチで、それが強過ぎて女装にハマり…
 その延長でこの世界に入ったのよ…」

 そう囁きながら、更にわたしの太腿を絶妙なタッチで…
 いや、ストッキングフェチ、ストッキングラブならではの愛撫といえる加減で撫でてくる。

「あ…ん…」

 わたしは本当に…

 すっかり感じ、昂ぶり、疼かせてしまっていた。

 すると…

「あぁ、そこぉ、ナニをイチャイチャしてるのよぉ」
 と、マリが言ってきたのだ。 


「え、あ、いや、あ、そう、ト、トイレに…」
 わたしはそのマリの声でハッと我に返り、トイレに立った。

 いや、トイレに逃げたのである…




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