
約束~リラの花の咲く頃に~ⅢLove is forever
第6章 契り
並の女にはできないことだ。まさに中殿としての器をすべて兼ね備えている。こんな女であれば、国王の伴侶―王妃としては理想的だろう。
莉彩を、妻に、迎えたい。
その時、王の中で心が決まった。
「莉彩、私のものになってくれぬか?」
莉彩の黒い瞳が大きく見開かれた。
王はそろりと手を伸ばす。その指先がそっと薄く色づいた胸の先端を掠めた。
「―!!」
莉彩が改めて我に返ったように、ピクリと身を震わせる。自分が何も身につけていないのを知り、その白い頬に朱が散った。いや、頬だけではない、剥き出しになった裸の肩もほんのりと桜色に染まっている。
「生涯そなただけだと今、ここで約束しよう。私は今後、そなた以外の女には触れぬ。そなたさえ傍にいてくれさえすれば、私はそれで十分なのだ」
王の表情はどこまでも真摯だった。
大きな手のひらに胸の膨らみを包み込まれ、莉彩は身を竦めた。
その瞳が見る間に潤み、涙の雫を宿した。
まだ、心の準備ができていないのだ―、王はすぐに莉彩の恐怖を察した。その双眸には怯えが浮かんでいる。
もしかしたら、自分は卑怯なことをしようとしているのかもしれない。だが、今夜、王はもう行為を止めるつもりはなかった。
できれば、莉彩に無理強いはしたくない、手籠めのような形で莉彩の身体を奪いたくはなかった。
「今夜、どうしても?」
消え入るような声音で訴える莉彩に、王は深く頷いた。
「どうしてもだ」
「―怖い」
莉彩が呟き、涙を零すと、王は頬を流れ落ちるその涙を唇で吸い取った。
「大丈夫、酷いことはしないから、私に任せて」
小刻みに震える莉彩の背を撫でさすり、安心させるように微笑みかける。
そっと飾り紐を外し、編んだ髪を解くと、莉彩の丈なす長い黒髪が背中を滝のように流れ落ちる。艶やかな髪をこの上なく大切な宝物を扱うかのようにそっと梳きながら、王は莉彩のふくよかな乳房に顔を埋(うず)めた。
莉彩を、妻に、迎えたい。
その時、王の中で心が決まった。
「莉彩、私のものになってくれぬか?」
莉彩の黒い瞳が大きく見開かれた。
王はそろりと手を伸ばす。その指先がそっと薄く色づいた胸の先端を掠めた。
「―!!」
莉彩が改めて我に返ったように、ピクリと身を震わせる。自分が何も身につけていないのを知り、その白い頬に朱が散った。いや、頬だけではない、剥き出しになった裸の肩もほんのりと桜色に染まっている。
「生涯そなただけだと今、ここで約束しよう。私は今後、そなた以外の女には触れぬ。そなたさえ傍にいてくれさえすれば、私はそれで十分なのだ」
王の表情はどこまでも真摯だった。
大きな手のひらに胸の膨らみを包み込まれ、莉彩は身を竦めた。
その瞳が見る間に潤み、涙の雫を宿した。
まだ、心の準備ができていないのだ―、王はすぐに莉彩の恐怖を察した。その双眸には怯えが浮かんでいる。
もしかしたら、自分は卑怯なことをしようとしているのかもしれない。だが、今夜、王はもう行為を止めるつもりはなかった。
できれば、莉彩に無理強いはしたくない、手籠めのような形で莉彩の身体を奪いたくはなかった。
「今夜、どうしても?」
消え入るような声音で訴える莉彩に、王は深く頷いた。
「どうしてもだ」
「―怖い」
莉彩が呟き、涙を零すと、王は頬を流れ落ちるその涙を唇で吸い取った。
「大丈夫、酷いことはしないから、私に任せて」
小刻みに震える莉彩の背を撫でさすり、安心させるように微笑みかける。
そっと飾り紐を外し、編んだ髪を解くと、莉彩の丈なす長い黒髪が背中を滝のように流れ落ちる。艶やかな髪をこの上なく大切な宝物を扱うかのようにそっと梳きながら、王は莉彩のふくよかな乳房に顔を埋(うず)めた。
