
約束~リラの花の咲く頃に~ⅢLove is forever
第11章 Half MooN
莉彩は今、自分に襲いかかったその出来事が悪夢としか思えなかった。何故、聖泰がこのような目に遭わなければならないのか。
身じろぎもせず眠る聖泰の傍らで、莉彩は徳宗に玉牌を見せた。
「金大妃さまより頂いたものです」
莉彩が低い声で告げると、徳宗は玉牌を手に取り、じいっと眺め入った。
「聖泰、そなたはこの玉牌が示すとおり、正式な王位継承者だ。そなたはいずれこの国の王となり、貧しい者たちを救う聖君となれ。そなたならば、この父を凌ぐ王となろう。死んではならぬ、聖泰、我が子よ」
徳宗は玉牌をそっと眠る我が子の手に握らせ、静かに語りかけた。
その二日後の夜明け、聖泰は両親に見守られながら、静かに五年の短い生涯を終えた。
身じろぎもせず眠る聖泰の傍らで、莉彩は徳宗に玉牌を見せた。
「金大妃さまより頂いたものです」
莉彩が低い声で告げると、徳宗は玉牌を手に取り、じいっと眺め入った。
「聖泰、そなたはこの玉牌が示すとおり、正式な王位継承者だ。そなたはいずれこの国の王となり、貧しい者たちを救う聖君となれ。そなたならば、この父を凌ぐ王となろう。死んではならぬ、聖泰、我が子よ」
徳宗は玉牌をそっと眠る我が子の手に握らせ、静かに語りかけた。
その二日後の夜明け、聖泰は両親に見守られながら、静かに五年の短い生涯を終えた。
