
約束~リラの花の咲く頃に~ⅢLove is forever
第1章 邂逅~めぐりあい~
「ありがとう。あなたには助けて貰ってばかりね。タイムトリップの話なんかしても、絶対に信じて貰えないと思っていたのに、信じてくれる人にめぐり逢えて良かった」
莉彩の眼から、とうとう堪え切れずに涙が零れた。一度溢れ出した涙は、なかなか止まらない。
莉彩は泣きながら、ここに来ることになった経緯(いきさつ)を話した。
二十一世紀の日本にいたときも、やはり、走ってくる車に轢かれそうになり、その寸前で時を飛んだこと。
「車が眼の前まで迫って、もう駄目だって思った時、誰かが私の腕を掴んで引っ張ってくれたの。私は、それが近くにいた私の友達だと思ったんだけど、本当はあなただったのね」
恐らく、男が莉彩の腕を掴んだその瞬間、こちら(朝鮮王朝時代)の時空とあちら(二十一世紀の日本)の時空が重なったのだろう。莉彩はそのまま、この時代に生きる男に導かれ、ここにやって来た。
全くSF映画でも観ているようだが、この世にはまだまだ科学では解き明かされていない謎が幾多もある。全くあり得ないことではないのかもしれない。
「友達―、友達が一緒だったのか?」
問われ、莉彩は頷いた。
「中学時代のクラスメート。ああ、こんなこと言っても、判らないわよね。ええと、どう言えば良いのかしら、同じ学校で一緒に学ぶ友達。今は違う学校に通ってるけど、野球をしてるの。物凄く強いのよ、和泉君ほどの剛速球を投げる高校生ピッチャーなんて、そうそういないんだから」
「野球? 剛速球? ピッチャー?」
男が首を傾げる。
「ああ、ごめんなさい。判り易く言うと、野球というのは、長い棒で玉を打つ競技なの。和泉君はその野球がとても強いのよ。敵のチームの誰一人として打てないような速い球を投げることができるの」
莉彩が夢中で話していたのを、男が遮った。
「もう、良い。和泉というのは、男なのか」
「え―」
莉彩が眼を見開いた。
「普通、女はそのような競技はせぬからな。もしかして、男かと思うて訊いてみた」
何故だか男は憮然として言う。
「その男は、そなたの何だ。恋人なのか?」
あまりにも単刀直入な質問に、莉彩は言葉を失ってしまった。
莉彩の眼から、とうとう堪え切れずに涙が零れた。一度溢れ出した涙は、なかなか止まらない。
莉彩は泣きながら、ここに来ることになった経緯(いきさつ)を話した。
二十一世紀の日本にいたときも、やはり、走ってくる車に轢かれそうになり、その寸前で時を飛んだこと。
「車が眼の前まで迫って、もう駄目だって思った時、誰かが私の腕を掴んで引っ張ってくれたの。私は、それが近くにいた私の友達だと思ったんだけど、本当はあなただったのね」
恐らく、男が莉彩の腕を掴んだその瞬間、こちら(朝鮮王朝時代)の時空とあちら(二十一世紀の日本)の時空が重なったのだろう。莉彩はそのまま、この時代に生きる男に導かれ、ここにやって来た。
全くSF映画でも観ているようだが、この世にはまだまだ科学では解き明かされていない謎が幾多もある。全くあり得ないことではないのかもしれない。
「友達―、友達が一緒だったのか?」
問われ、莉彩は頷いた。
「中学時代のクラスメート。ああ、こんなこと言っても、判らないわよね。ええと、どう言えば良いのかしら、同じ学校で一緒に学ぶ友達。今は違う学校に通ってるけど、野球をしてるの。物凄く強いのよ、和泉君ほどの剛速球を投げる高校生ピッチャーなんて、そうそういないんだから」
「野球? 剛速球? ピッチャー?」
男が首を傾げる。
「ああ、ごめんなさい。判り易く言うと、野球というのは、長い棒で玉を打つ競技なの。和泉君はその野球がとても強いのよ。敵のチームの誰一人として打てないような速い球を投げることができるの」
莉彩が夢中で話していたのを、男が遮った。
「もう、良い。和泉というのは、男なのか」
「え―」
莉彩が眼を見開いた。
「普通、女はそのような競技はせぬからな。もしかして、男かと思うて訊いてみた」
何故だか男は憮然として言う。
「その男は、そなたの何だ。恋人なのか?」
あまりにも単刀直入な質問に、莉彩は言葉を失ってしまった。
