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黒猫と白薔薇

第1章 淡い日常

 きっと下手になっているに違いないだろうが。苦笑しつつ、穏やかな口調で読み始める。はじめて、大切だと想える相手にこんな事をする自分に半ば驚きながら。





『魔女のお菓子屋』


 ――それは。誰も寄せつけない谷。


 人がたくさんいる大国や辺境の町角。


 生命あふれる緑の森。


 錆びれた古城。


 大きな月の船の上。



 誰かが望めば、気ままな風のようにどこにでも現われる魔女がやっている、不思議なお菓子屋さん。


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