
diary
第2章 全ての始まり
屋上の扉を開けると少し風が強かった。今日は体操服で帰ってもいい日なのかな
制服で帰る生徒もいれば体操服で帰る生徒もいる
やっぱりもうほとんどの生徒が終わったんだね
とりあえず私はサボり確定
一応優等生だったんだけどな……苦笑
屋上でみんなが帰っていく様子を少しの間ただ眺めていた
ブルブル
スマホが振動しメッセージの通知を知らせた
誰だろう……、あっ楓だ
『どこにいらっしゃいますか?健康診断終わりました?さきさんと一緒にいなかったみたいですが』
どう返信しようかな……
健康診断やってないなんて言ったら無理にでも連れていかれそうだし、私が終わるまで絶対待ってるよね
ここは申し訳ないけど嘘つくか
『もう終わったよ、新しく出来た友達と少しカフェして帰るから先に帰ってて。女の子の親睦会だから絶対着いてきちゃダメだよ。帰りはタクシーで帰るから』
私がそう送るとすぐに返信が来た
『分かりました。気をつけて楽しんできてください』
私は既読をつけてスマホを制服にしまった
「はぁ……」
楓に嘘ついちゃったな
罪悪感をとても感じる。
「若いのにため息。どうしたの?」
私はいきなり知らない男性に声をかけられた
