diary
第1章 Prologue
夜に舞う蝶のような人と言われてもピンと来ない人が多いと思う。実際に私がもし誰かに「どんな性格の人なの?」と質問して返ってきた答えが「夜に舞う蝶のような人」だけだったら頭の中は『え、?何言ってるの?』と1度は混乱すると思う
母は魅力溢れる人だから出てくる度に母について分かっていって欲しいのが私の願いだけど次会えるのはいつか分からないし、日記に出てくるのも遠い未来の話かもしれないからざっくりと話そうかな
母は群れる事を嫌う。一匹狼なところがあり、とてもクールな人だと思う。クールなのに母が発する言葉や、隣に居てくれる温もりは触れた瞬間にふわっと全身を包み込んでくれる優しさがある。
そして捕まえたと思ったら捕まえきれていない。あの厳格で完璧主義な父を魅了した人だ。とても恐ろしい人。もちろん悪い意味では無い。いい意味で
最後にかなり歳の離れた兄が1人。アメリカの大学の医学部を飛び級で卒業した。大学を卒業したあとは日本でも医師国家試験を受け合格し、大学で医者をしながら父の後継でもあるため経営の勉強をしている
勉強と仕事で忙しい人だから一緒の家に住んでいても全く会えない。それに最近は病院近くにマンションを買ってそこにいる事が多い。
昔は一緒に遊んでくれてたけど今はすれ違っても会話なんてしない。兄には嫌われたんだきっと。ある日突然兄の態度が変わった。理由は分からないけど知りたいとも思わない。昔は優しくて人気者だったのに今では第2の父のような人
結局こんな大きくて広い家にちゃんと住んでいるのは私と住み込みのお手伝いさん達だけ。
もう寂しいなんて思うことは辞めた。寂しいと思ってもさびしさがなくなるわけではない。それなら逆に思わない方が良いに決まっている