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diary

第3章 at home


本当にどうしよう。この沈黙の時間が気まづすぎる

とりあえず謝らないと

「ごめん…なさい……」

私は下を向きながら小さな声でそう言った

「なにが?」

えっ……楓はどこからどこまで知ってるんだろ

それが分からないから何も言えない。自分で墓穴掘りそうだし

「心配かけてごめん」

無難な所から言う

「いつまで隠すつもり?今日健康診断サボってたでしょ。しかもその理由が体調悪いから。違う?」

そこまでバレてたのか……恐るべし楓くん

「……違わないです」

「はぁ……とりあえず明日は病院だよ。朝一で。逃げるなんて許さないから。俺も着いていく」

楓も来るの????無理無理。普通に嫌なんだけど

「百歩譲って病院は行くとしても楓は来なくていいから!明日普通に学校あるでしょ?」

「あるよ。午後から行く。午前は病院の付き添い。」

病院の付き添いって普通に言うけど恥ずかしいし普通に嫌だよ

「本当に来なくていいから、1人でも行けるから大丈夫」

「今日検診サボった前科ありの人間が何言ってるの?もうこれは決めたことだから何を言っても変わらない。それに熱あるんだから早く休みな」

ごもっともすぎて何も言い返せない……

楓に反論することに夢中になって体のきつさは忘れかけていた

でも今はそんなにキツくないな

「……ね、私の体温なんだったの?」

「今は38.8。これでも下がった方だよ。家に帰ってすぐは40.3あったんだから」

そんなに?あの時は急に眠くなってそんなに熱あるなんて思わなかった

「意外と高いね……」

自分のことなのに何故か他人事のように感じる。だってそこまでキツくなかったから

「とりあえずもう休んで明日に備えな。おやすみ」

楓はそう言うと部屋の明かりを落とした

そして私の近くの小さい電気をつけて本を読み始めた


私が寝るまでそばにいてくれるのかな?部屋に帰ってもいいのに。でも楓の優しさだからちゃんと受け取っておこう


明日行きたくないな……どうやったら行かなくていいよってなるかな

やっぱり熱を下げるのが一番かな?でも健康診断サボったことバレたから結局は病院に行かないといけないんだよね

まぁ明日の事は明日考えればいっか

もう寝よ。おやすみ

私は心の中でそう言って眠った



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