
diary
第1章 Prologue
「その呼び方はお辞めになってください。誰が聞いているか分かりませんし誤解されては困ります」
私が黒川の下の名前で呼ぶと楓はそう言った。
「別にそこまできにする必要ないよ。朝は私達2人だけしかこの部屋にいないし。それに今は執事の黒川じゃなくて幼馴染の楓と話したいの。これは主の命令だよ」
私はベットに寝そべったまま楓を見上げる
「はぁ…。せっかく綺麗にしたのに。本当になんでこんなに余計な仕事を増やすのが得意なの?」
「それほどでも笑」
私は少しニコッとして楓にそう言った
「褒めてもないし笑う所でもない。真面目に反省して。ていうか今から綺麗にし直すから邪魔。そこどいて」
「口が悪い執事ですね〜」
楓は私の方をギロっと睨んだ。私は殺気を感じとってそーっとベットを降りた
「あちらのドレッサーの椅子に座ってお待ちください。ヘアセット今日は誰になさいますか?私は手の込んだ髪型は出来ませんがポニーテールぐらいならできますよ。」
「黒川に任せる」
「分かりました。では少々お待ちを」
黒川はそう言ってベットメイキングをやり直し、私はドレッサーの椅子に座って鏡越しに黒川の動きを見ていた
