
革靴を履いたシンデレラ
第3章 階下の秘め事*
今のリーシャは声で愛撫に応えることができなくなっていた。
大波のごとく一方的に押し寄せる官能を、吐き出せないのは耐えがたい。
口を塞がれて息苦しさを感じるだけでなく、その理由はもっと深いもの。
華やかで優雅な舞踏会の陰で、欲望が絡み合う。
その淫靡な状況に彼女の身体は不思議な高揚を覚え始めていたのだ。
そして、何よりもシンデレラの、若さに似合わず巧みで執拗な愛撫が彼女を翻弄していた。
(あぁ……気持ちがいいっ……)
リーシャの心と体はぐちゃぐちゃに混ざり合い、混沌とした感覚に包まれていくのを感じている。
「ふ、ンーッ」
胸をきつく揉まれても最初は痛みと困惑しかなかったはずなのに、今この行為に呑まれている自分がいる。
そんな羞恥心がなおいっそう彼女を興奮させるのだった。
目も口もほぼ塞がれて体をくねらせるしかない彼女の耳に、彼が自らの衣服を脱ぐ気配を感じた。
「リーシャ」
布越しよりも逞しい上半身。
貴族にはない、野性味さえ感じる体だが決して粗野ではない。
それは彼の行為と似ていた。
(『あの人』とは違う)
リーシャはぼんやりとそう思い、触れられてもいないのに体を震わせる。
シンデレラは彼女の足元から下着を引き抜き、膝裏に手を添えた。
リーシャの足先が頼りなく揺れる。
シンデレラが膝の間に腰を入れリーシャの股間に圧し掛かるものは、驚くほど熱く大きな塊だった。
亀頭がゆっくりと膣口の襞に押し込まれる。
「少しだけ……痛むかもしれないけれど、きっと良くなるから」
優しくそう言われると、期待と不安で膣口がきゅっと無意識に収縮したのが分かった。
「ん……っ!」
リーシャの口から苦しげな悲鳴があがった。
内壁がぐううっと押し広げられる。
唾液とともに、その悲鳴は口の中で布に吸われて消えていった。
彼女の頭を優しく撫でながら腰を徐々に進めていく。
