
革靴を履いたシンデレラ
第3章 階下の秘め事*
「は、ぁっ」
(きつぃ……)
「まだ辛い? それとも」
見えない傷口に切っ先をずりずり押し付けながら、彼はリーシャの苦悶と快楽の狭間の反応を楽しんでいるかのようだった。
二人の結合部からは愛液が溢れ出してシーツを濡らしていた。
潤んだ彼女の目から、堪えられずに涙が頬を伝う。
リーシャは体がばらばらになりそうな感覚に苦しみながらも、敏感な場所を擦られることによって思わず背中を丸めた。
「ふ、ん……っ!」
重苦しい刺激に耐えかねて声をあげる。
「可哀想に。 こんなに気持ちよくなって」
彼女の濡れた頬を優しく撫でながら、彼は慈愛に満ちた口付けをそこに落とした。
挿入したまま、リーシャの耳たぶを軽く噛んだ後、首筋にぬるると舌を這わせる。
「あっ……うぅん……」
その感触に喉をさらして身をよじるが、肩口を抑え込まれば、身動きが取れなくなってしまう。
彼の動きに合わせてベッドが軋む音が響く。
その音を聞くたびに、焦りにも似た恥ずかしさがこみ上げてくる。
自分に与えられる、いくつもの様々な刺激に五感が麻痺しては研ぎ澄まされ、その処理に感情が追いつかない。
リーシャの口からくぐもった声が漏れ続けた。
「ふう、んん……っ!」
「ああ、すごく締まる。そんなに俺のが気に入ったかな」
「んふ……っ!んっ、ンんっ」
微かに首を横に振る彼女を見つめ、ぐっ…ぐっ…ぐっ…と、一定のペースを保ち動き続ける。
彼女の体の痛みが引き潮のようにひそまり、その代わりに愉悦の波が次々と押し寄せ、リーシャはそれに抗うことができなかった。
「んぅ……ふ、んっ!」
高まりはとうとう限界に向かおうとしていた。
