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革靴を履いたシンデレラ

第7章 蒼い瞳をもつ理知的な女*



「ここも懐かしいな。 一度だけバスタブの中でも愛し合ったのを覚えている?」

何も答えないイザベラの後ろの穴に、ずぷりと侵入する異物。

「ひ」

自分の尻を支える彼の指が埋没していく。
羞恥に体をよじるも、この体勢ではどうしようもなかった。
根元まで埋まった親指ですりすりと指の腹で腸壁を撫でられ、腟内とは異なる、切ない刺激を送り込んでくる。

「だめ…抜い……てえ」

「あの時の君はここの挿入も許してくれたのに、今は駄目だと言う。 なぜかな」

「し、知らない…」

「ふ……でも可愛いよ」

浴室のガラス窓からは月のあかりが漏れていた。

洗面台の上にタオルを敷いたシンデレラが、彼女をその上に下ろす。

「そしてこう言うと、貴女は両方締まるんだね? 俺の指がちぎれそうだ」

「ンん」

指と、それから剛直をゆっくりと引き抜いていく。

シンデレラとイザベラの目線がほぼ水平になっていた。
雑に切られた彼の毛先が月光に反射して青白く輝く。

目尻を下げて細められた彼の顔の造作は甘やかで、引き結ばれた口と、情欲を湛えた捕食獣のような瞳は、その中では異質に見えた。

空っぽになった胎内が寂しい────台の上に乗せた両脚をゆるりと広げ、イザベラははしたなく彼を誘った。

「手で広げて俺に見せて」

「……いつからそんなにいやらしいの」

そうする代わりに嫌味を零したイザベラに、彼が唇で言葉を塞いだ。
幾度となく唾液を流され、彼女は目を見張る。
この男の体液の、何て甘いこと────ザワリと肌が粟立つと同時に、彼がどちらのものかの唾液の糸を引いて口を離した。

「俺は以前、君を尊敬していた。 貴女を抱けるってだけで、舞い上がっていたんだ」

「……今は……尊敬とやらはしてないの?」

「してるよ。 ただ俺は、君自身を見つめる余裕がなかった。 きっとそれは、他の女性を思いながら誰かを抱くのと同じぐらいに相手に失礼なことだ」

「そんなことない。 私が自分を侮辱するような男と何度も寝たと思う?」

「そういう意味じゃない。 俺はそれなりに真剣だったが……貴女は結局、俺には見せてくれなかった」


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