獣人さんが住む世界で大っきいカレに抱き潰されるお話
第2章 夢の世界の入り口は
◆
「だから俺と作るんだろうが」
何の問題が? とでも言いたげにセイゲルさんが私の脇に横たわり、憎ったらしく私を見下ろしていた。
どうやら寝言を漏らしていたらしい。
「あれから数時間も眠っていた。人間はやはり体力がないんだな。腹が減ったか」
今いるのはやはり元のベッド。
あの、初めて言葉を交わした獣人に犯されるなんて。
私の体はシーツがぐるぐる巻きにされている。
「お腹なんか、空きません」
「ほー。 お前の好物のフレンチトーストを用意したんだが。 要らないと?」
「そんな呑気な」
……ぎゅぐるぐぐう。
「……腹の音にしても、もう少し恥じらいってもんがないのか」
拳を口に当て、噴き出しそうなセイゲルさんをジロっと睨む。
ほ、本当は凄く恥ずかしい。
出会った時の彼は紺色の軍服のようなものを着ていたが、今もそれと同じ物を身に着けていた。
悔しいが、精悍で体格の良い彼にとても似合っている。
「セイ…ゲルさん。私はここに、貴方の愛人になりに来たわけじゃありません」
「愛人なんて馬鹿な制度はここには無い。 毎年、十名程かな。 知力や体力に優れ、選ばれた獣人だけが伴侶を持てる。不満そうな顔だが、ここではそれだけ女は貴重で大事にされている」
「大事? そのわりには会うなりに、ず、随分と野蛮な扱いをするんですねっ」
「子供を持つまでは正式な番として認められないからだ。 そこら中に独り身の雄がゴロゴロしてる。 命が惜しければ外へは決して一人で出るな」
「つがい……」
呆けて呟く私にセイゲルさんがベッドの傍に置いていた帽子を被る。
高さがあるそれは耳の邪魔にならない作りらしい。
「だから俺と作るんだろうが」
何の問題が? とでも言いたげにセイゲルさんが私の脇に横たわり、憎ったらしく私を見下ろしていた。
どうやら寝言を漏らしていたらしい。
「あれから数時間も眠っていた。人間はやはり体力がないんだな。腹が減ったか」
今いるのはやはり元のベッド。
あの、初めて言葉を交わした獣人に犯されるなんて。
私の体はシーツがぐるぐる巻きにされている。
「お腹なんか、空きません」
「ほー。 お前の好物のフレンチトーストを用意したんだが。 要らないと?」
「そんな呑気な」
……ぎゅぐるぐぐう。
「……腹の音にしても、もう少し恥じらいってもんがないのか」
拳を口に当て、噴き出しそうなセイゲルさんをジロっと睨む。
ほ、本当は凄く恥ずかしい。
出会った時の彼は紺色の軍服のようなものを着ていたが、今もそれと同じ物を身に着けていた。
悔しいが、精悍で体格の良い彼にとても似合っている。
「セイ…ゲルさん。私はここに、貴方の愛人になりに来たわけじゃありません」
「愛人なんて馬鹿な制度はここには無い。 毎年、十名程かな。 知力や体力に優れ、選ばれた獣人だけが伴侶を持てる。不満そうな顔だが、ここではそれだけ女は貴重で大事にされている」
「大事? そのわりには会うなりに、ず、随分と野蛮な扱いをするんですねっ」
「子供を持つまでは正式な番として認められないからだ。 そこら中に独り身の雄がゴロゴロしてる。 命が惜しければ外へは決して一人で出るな」
「つがい……」
呆けて呟く私にセイゲルさんがベッドの傍に置いていた帽子を被る。
高さがあるそれは耳の邪魔にならない作りらしい。