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獣人さんが住む世界で大っきいカレに抱き潰されるお話

第2章 夢の世界の入り口は


「私の頭には様々な人間のデータが入っています。 知性や嗜好、健康状態。 ご主人ならばきっと、試験にも受かると信じておりました」

シンが流暢な言葉で補足する。

「試験、試験って……あの試験はまさか?」

「互いに優秀な者だけが種を残せるって訳だ。 子は例外無く雄の獣人となる。 俺らに比較的有能な者が多い理由もそこにある。 おいおいと説明するが、通り一遍のことはそこの二人とシンに訊け。 今晩の帰りは遅くなる。 夜に備えてゆっくり過ごせ」

「それどういう意味」

なんて私が言い終わらないうちに、セイゲルさんがとっとと部屋を出て行った。
戸口を見ている私に獣人の二人が人懐っこく微笑んでくれた。

ぎょぐるぐるる。

だから、私のお腹!
再び赤面する私に、シンが大真面目に感想を述べる。

「相変わらずご主人のお腹の音は変わっておりますね」

「クスクス。 すぐにお食事をお持ちします」

「では僕はお召し物を」

私より少し背が低い彼らが部屋を後にする。
うう、ズボンに空けた穴からはみ出たフサフサの尻尾が可愛い。

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