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獣人さんが住む世界で大っきいカレに抱き潰されるお話

第7章 嫌いの影響




それから性特有の問題(=買い物)についても、合点がいく出来事が起こった。
私がここに来て初めて、来客があるということだった。
同じ日の午後のこと。
玄関のチャイムが鳴ってまもなく、階下からガヤガヤと複数の騒がしい音が聞こえた。

その時の私は……なんというか。

「セ、セイゲル…さん」

……大好きなセイゲルさんの下で甘い息を吐いていた。
ちなみに本日は一緒に住むことにしてから、彼の初めての休日である。
セイゲルさんがちゅぱちゅぱと私の乳首を吸っているので、彼が下という方が正しいのだろうか。
あ、それも違う。 セイゲルさんの口は大きいから乳首を吸うというより胸を丸ごと食べられている。

「………」

おそらくそんなことはどうでもいい。

ちゅっ…ちゅ、ちゅうっ…

「あの、なんか…下がっ、あぁっ」

「舌でされるのが好きか」

これもまた違うくない、けど違う。
セイゲルさんが口内で揺れる私の胸に甘噛みを繰り返す。
全体を包まれる熱い息と相まって、乳輪ごとぶちゅうっ、と濡れた舌で擦られる刺激が堪らない。
こんなに胸が感じるものだなんて。

れろぉ…ぬるにゅる、ぬるる…

ピンッ、ピンッ、私の四肢の先が伸び、快感を吐き出す場所を必死に探す。
たとえば足先に絡まるシーツ、指先をめり込ませるためのセイゲルさんのぶ厚い肩などを。
乳首にカリ、と尖った歯先が当たり私の背中が反り上がる。

「はあっ、待…っ!」

抗おうと空を切る私の腕を、セイゲルさんがシーツに縫い付ける。
ようやく傷が塞がった私の体に注がれる、獣欲に染まった瞳が、私の身体を強ばらせてしまう。

「セ、セイゲル様!」

ドア越しにどこか慌てたメロルくんの声から、私たちが何をしているのかは、彼も薄らと察しているらしいと思った。
火がつきかけた私の体は熱くって、そこからセイゲルさんは口だけを外した。

「……なんだ? メロル。 俺は今、かなり非常事態なんだが」

「んぅっ」

濡れた胸先を指できゅっと摘まれ腰が浮く。

「非常事態の所すみませんが来客です、セイゲル様。 今日は外商を呼びましたよね。 15時に予約を入れていたのをお忘れですか?」

「あー…うーん……そういえば」

セイゲルさんが珍しく行儀悪い舌打ちをした。

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