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ルーシーは、るんるんで自室へと歩いていた。腕だめしで見事賞金を得たのだ。内容は腕相撲だったので、ルーシーには楽勝だった。暫く歩いていると、ルーシーの自室のある建物の一角が見えてきた。

ルーシーの通う学校はかなりの規模で、剣士を目指す者や、魔導師を目指す者、武道家を目指す者など、生徒の志は多岐にわたる。

多くの生徒が通い、校舎も広大だが、隣接した宿舎もまた然りだった。一部の生徒を除き、すべての生徒は入学と同時に宿舎の一室が与えられ、そこに住まう。
ルーシーも例外ではなく、他の多くの生徒と同じように、学校の宿舎で暮らしている。

宿舎へ向かう途中、人混みのなかに、見覚えのある顔を見つけた。
げげっ、さっきのナルシストエリート！

グランは何人かの女性と親しげに話していた。ルーシーと出会ったときのようなトゲのある話し方ではなく、優しい口調だった。

向こうも気づいたらしく、一瞬怪訝そうな顔をすると、すぐに背けた。「今一番関わりたくない女ナンバーワン…」とぼそりと呟いたのが聞こえた気がした。

む、むかつく～…。嫌なヤツにあっちゃったわ…せっかくのいい気分がだいなしよ。

気分がそがれたルーシーは、足早に自室へと向かうと、再び引きこもることを決意した。