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──拝啓、支配様

第4章 4

話が終わった後、僕は大寺の車に乗せられ、行先も解らず揺られていた。

これに関しては、断ろうと思えば、断れたのだろうが、殺すと言われると動けないのも此方だ。

「……まあ、俺の借りている離れだ」

「離れ?」

大寺の答えにそれだけ問いかける。

「嗚呼、まあ折角仲間になったんだ。祝賀会のようなものだと思ってくれ」

……嘘くさい。

そんな嘘、誰が信じるというんだ。何か​─── 絶対に何かするつもりだろうが、僕にそれを拒否する権利もない。

「さて、着いたぞ」

森の中を永遠に進み、着いた先は古臭い小屋のようなところだった。

彼の別宅というのだから、もっと小綺麗な別荘や一軒家を想像したが、こんなものらしい。

少しだけ彼に対するイメージが一般的になったところで、彼は僕に中へ入るように急かしてくる。ㅤ

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