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──拝啓、支配様

第1章 1

「えっと……教師に見えないかな? こう見えても僕、35歳なんだけど」

 先程飲んだ水を吹き出してしまいそうなほどの衝撃だった。

 人間とはこんなに若く居られるのか……一体何を飲んで、何を食べていたらこんなにも若さを保っていられるのか……。

 想像もつかない。

 だが、唖然としてばかりでは失礼極まりないだろう。僕は苦々しい顔をしたまま、目の前にいる教師──大寺に会釈をした。

「初めまして、宮本愛次です。宜しく──」

「愛次くん!? 君が宮本愛次くんなんだ!!」

 言葉尻をぶった切られた。

「えっと……僕のことご存知なんですか?」

「知ってるよ! だって首席で入学して来た子じゃないか! みんな君に注目しているんだから名前くらいは知ってるよ」

「へ、へぇ……そうなんですか……」

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