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──拝啓、支配様

第1章 1

 面倒なことになった。

 いつもは少し目立たないようにテストを加減しているのだが、受験ともなるとそうはいかなくて、全力で挑んでしまったのだ。  その結果がこれだ。

 首席での入学……、ということはつまり……。

「あの、新入生代表の挨拶って……」

「ん? 君だよ?」

 ですよね。

「あ、でも、もうひとりいるよ」

「え? もうひとり?」

「うん。君と同じく首席で入学した子がもうひとり、女子にいてね。彼女と一緒に新入生代表挨拶をしてもらおうと思っているんだ」

 ──助かった。やや、と言ったところだが。

 肩を落とし、ホッと息を吐いた。

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