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──拝啓、支配様

第1章 1

 つまらない人生にもう慣れてしまった自分にとって、注目の的になるなんてもっての外だったのだから。

 僕みたいな大人しい見た目の奴が注目を浴びたところでロクな事はない。

 精々、親が両手を挙げて万歳三唱するくらいだろう。

 下手したら「お前生意気なんだよ」と因縁をつけられイジメの標的にされるかもしれない。

 考えただけでもゾッとしてしまって、軽く肩を摩った。

「──いや、それにしても君みたいな優秀な子が入学してきてくれてよかった。

 あんな事件があった後だから、ちょっと心配してたんだ」

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