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──拝啓、支配様

第1章 1

「……」

 大寺の瞳は見開かれ、そして動きが止まった。

「……屋上なんて生徒は入れないし、学校に忍び込むにも、校門の解錠が必要ですよね? それって、教師にしか出来ないんじゃ……なんて……」

 言葉尻が萎む。
 大寺は答えない。
 嫌……。

 少し驚いた顔をしているように見えた。

「……。実はね、警察も、そういう可能性があるって……そう言ってて、それで調査が入ったんだ」

「え、それじゃあ…」

「でも、結局その日僕たち教師全員にアリバイがあったし、証拠も不十分だった。

 だから、僕たちの疑いは外れてる。

 そういう事になっている」

 そういう事になっている……。曖昧な、嫌な話し方だと思った。

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