テキストサイズ

──拝啓、支配様

第2章 2

「───そう、だね。確かにそうだ。僕が無理矢理連れて来てしまった。それは申し訳ない…」

「待ってください、僕は別に……」

 大寺の言葉を遮るも、その先は出てこない。

 自分が好奇心だけで行動しているなんて、そんな浅ましい存在だなんて、言いたくなかった。

「……良いじゃない。別に」

 言い淀んだ数秒の沈黙。

 それを破るように、静かな声を発したのは、金髪の少女の横で、黙ってこちらを見ていた銀髪の少女だった。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ