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──拝啓、支配様

第1章 1


───

 ジリリリ…と、けたたましい音を立てて、目覚ましのベルが鳴る。

 僕の朝は、それに起こされることから始まる。何も変わらない朝。

 酷く退屈で、何十回も繰り返された変わりばえのない日々の幕開けだ。

 ───宮本愛次。

 それが僕の名前だ。

 年齢は15歳。

 今日から高校生になる。

 でも、新しい学校に通うからといって、青春なんて夢物語を考えているわけではない。

 僕の日々は、そんな期待と希望に溢れていない。

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