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──拝啓、支配様

第1章 1

 まだ15歳なのだから、青春を謳歌している同級生は幾らでもいるだろう。

 でも、僕は違う。

 お洒落なんて興味ない。

 そもそも熱中する趣味だってない。

 強いて言えば読書だが、オタクと呼べるほどのめり込むこともない。

 ただ身を任せて生きてきただけだ。

 そんなつまらない人生になってしまったのは、僕の性格が原因だろうが、何よりも……。

「あら、愛次ちゃん。おはよう」
「おはよう、ママ」

 ───この親のせいだと、僕は思っている。

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