テキストサイズ

──拝啓、支配様

第2章 2

「それじゃあ最後は僕だね」

 大寺はやや明るい口調で話し始める。皆の視線が、彼の方へと向いた。

「改めまして。大寺幸人です。
 担当科目は国語。演劇部と文芸部の顧問を兼任していて、どちらにも均等に顔を出しているつもりだよ」

 彼の自己紹介はスムーズに流れるように進み、そして僕の知りたかった核心へと近付く。

「ここは文芸部の部室で、月に1回、文芸誌なんかを出すことを活動にしている。それと……さっきも言ったように。

 この学校で起きた事件。“ 支配者事件”を調査するためのクラブにもなっているんだ」

「支配者事件……ですか?」

 随分、仰々しい名前で呼ばれているんだな……。そう思ったところで、思考を見透かすように美麗が口を開く。

「そうよ。変わった呼び名でしょう? 何故、そう呼ばれているかなんだけど。さっき杏菜が言ってたように、学校裏サイトが関係しているの」

「学校裏サイト……」

ストーリーメニュー

TOPTOPへ