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──拝啓、支配様

第2章 2


 ─────。

「支配者様がこの学校に現れてから、もう3年になるけど、次のターゲットは誰になるだろうね」

 不穏な言葉に、別の生徒らしき人物の文章が返される。

「正直すごく緊張する…。1日も気を抜いて過ごせないよ。

 私は、悪いことなんてしてないけど、クラスの​─────さんなんていつも偉そうにしているし、昨日も​────さんの教科書隠したりしてたから、次は​────さんかも……」

「でもさ、次のターゲットが生徒とも限らなくない?」

 また別の返答が生まれ、噂話が広がる。

「保険の​────先生、あの人体育の先生と不倫してるらしいよ?」
「不倫程度でターゲットになるのかな?」
「えーでも……」

 薄暗い噂話は続く。静かに。ひそひそ話のように展開される会話はとある一文を最後に止まっていた。

 ────正直、みんな裏で何してるか分からないじゃん。

 誰が消されても、可笑しくないよね。

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