
──拝啓、支配様
第2章 2
「さっき見せた通り、それは誰かが学校内で問題になっている生徒や教師を消している、っていう、下らない噂話。
3年前から、少しずつ噂は広がって……。ターゲットになる生徒は、問題ある生徒ばかり……。
だから、実行犯にはくだらない尾鰭がついた。
神様のように崇め奉られることになって、1部の生徒が『支配者様』と名付け、それが広がっていった……」
「ちょっと、待ってください」
ぐるぐると相変わらず纏まらない思考。しかし、これだけは聞いておかなければならない。そう、思い自然と口は動く。どこか焦るように。
「今回が、初めてじゃないんですか? 大体、事件か事故かも分からないって、話だったのに、これじゃあまるで、3年前から事件が立て続けに起こってるみたいで…」
「いいえ、別に、そういう訳ではないわ」
美麗は静かに僕の言葉を否定する。
「1年に何人か、学校を辞める生徒が居る。 でも、自主退学なんて、良くあることよ。
校風や規則が合わない、勉強に着いて行けない。馴染めない。そんな理由で、辞めていく生徒は幾らでも居る。
それに下らない噂話が付着しただけなのだけれど、そんな所で今回の事件が起こった。
その結果───噂話が信憑性を増してしまったのよ」
3年前から、少しずつ噂は広がって……。ターゲットになる生徒は、問題ある生徒ばかり……。
だから、実行犯にはくだらない尾鰭がついた。
神様のように崇め奉られることになって、1部の生徒が『支配者様』と名付け、それが広がっていった……」
「ちょっと、待ってください」
ぐるぐると相変わらず纏まらない思考。しかし、これだけは聞いておかなければならない。そう、思い自然と口は動く。どこか焦るように。
「今回が、初めてじゃないんですか? 大体、事件か事故かも分からないって、話だったのに、これじゃあまるで、3年前から事件が立て続けに起こってるみたいで…」
「いいえ、別に、そういう訳ではないわ」
美麗は静かに僕の言葉を否定する。
「1年に何人か、学校を辞める生徒が居る。 でも、自主退学なんて、良くあることよ。
校風や規則が合わない、勉強に着いて行けない。馴染めない。そんな理由で、辞めていく生徒は幾らでも居る。
それに下らない噂話が付着しただけなのだけれど、そんな所で今回の事件が起こった。
その結果───噂話が信憑性を増してしまったのよ」
