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──拝啓、支配様

第1章 1

 昨今の晩婚化の影響か、僕の親はもう70近い。

 しかも、年寄りらしいアップデートもされていない、凝り固まった価値観を持ったいわゆる……『毒親』だ。

 女が働けば世間が悪いと非難する、男尊女卑が根深い父。

 家庭に入ることに安心を通り越して、誇りを持ち、未だにオタク文化に何の理解もなく、
果ては高校生になった僕のスマホにまだアプリ規制をかける母。

 おかげで諸々SNSは閲覧もできない。
Xも、Facebookも、Instagram、TikTokも見れない。
見れるのは親の規制を掻い潜ったアングラな掲示板程度。

だが、履歴にチェックが入ることもあるため、当然これらも見れない。

 当然ゲームもできなければ、なんなら漫画もライトノベルさえも禁止だ。

 僕に許されているのは、親の検閲を受けた小説のみ。

 内容も毒にも薬にもならない物や、お涙頂戴のくだらない恋愛物。

 ───本当にくだらない。

 冷めた牢獄のような毎日だ。

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