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──拝啓、支配様

第3章 3

 そこに戻るのだ、と。

 きっと楽しい思いが出来るのは今日だけ……そんな気持ちが脳内で芽生え、諦めるように息を吐いた。

 それを確認するように自身のスマートフォンを取り出す。親とだけの連絡ツールと化している何の意味もない、無機質な箱のボタンを叩く。

 通知にあるのは着信とショートメッセージの山。

「帰りは何時になるの?」「いつ帰ってくるの?」「お母さん心配してるんだから早く帰ってきなさい」「何をしているの」「もしかして遊んでいるんじゃないでしょうね」

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