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──拝啓、支配様

第1章 1

 おかげで僕は朝食を食べても、コーヒーを飲んでも美味しいとも、何とも思わなくなってしまった。

 何も感じないのだ。

 美味いとも、不味いとも思わない。

 僕には何もない。

 ただ生きているだけ。

 それだけだ。


 今日から通う学校だって、僕が行きたくて行くわけではない。

 親が「これがいい」と言うから「はい、そうですか」と従っただけだ。

 私立桜ヶ丘高校。それが僕が通うことになった学校の名前だ。

 成績優秀者しか入れない、偏差値の高い学校。

 由緒正しき元お嬢様学校で、財閥の娘やら、芸能人の卵やら、モデルやら……そんな人しかいない。僕とは最もかけ離れた場所。そう思っていた。

 そんな学校に入れと言われたのは、その学校が今年度から共学に変わったからだ。

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