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──拝啓、支配様

第3章 3

 たった二文字。だが、明らかに今までの彼ではない、と示す様な言葉。それだけで、僕の中で答え合わせは終わってしまった。

 スマホを仕舞い、そして震えた声で言葉は正解を紡いでいく。

「それじゃあ、全部大寺先生が仕組んだ事なんですね? この事件も…僕をこの部活に連れてきたのも……」

 1呼吸の沈黙の後、大寺は告げる。

「嗚呼、そうだよ」


「───まぁ、それでもこうして呼ばれるのは想定外だったが 」

 そう付け足すも、大寺の顔は少しも焦って等いない。冷静に、何処か見下す様にこちらを眺めながら、ポケットに手を入れ、紙煙草の箱を取り出した。

 思えばここは火災報知器がない。

 この部室棟にもそうだ。そしてそれに類似るように​─────監視カメラの類もない。

 相当古い造りの建物なんだろう。こうした所も踏まえて、今、僕の身を守る物は零という事になる。

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