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──拝啓、支配様

第3章 3

 楽しそうに表情を彼は歪ませる。何故僕が、彼を支配者だと断定したのか。

震えながらも、僕はきつく彼を見詰めた。

「…可笑しいと思ったんです。美麗先輩が言ってたこと。

こんな成功を約束された学校を、辞める人間が居るなんて……

普通の学校なら、そりゃあ何人か居るでしょうけど、

入ったからには意地でも縋り付きたい人が殆どだろう。

と、そう思ったんです。それに、辞める人間が毎年居るのにも関わらず、

噂が出始めたのは3年前から…と、いうことは…」

「3年前、もしくはその付近で赴任してきた教師の中に、僕が居れば、其れで黒だろう、と。

まぁ、簡単な答え合わせだね。で? 答え合わせが済んでどうだった? 宮本くん。

これから君の人生は終わるわけだけど、どう思う?」

 美しさを保ったまま、歪んだその顔を僕は眺める。

そして、一度瞳を閉じ覚悟を決めてから唇を開いた。


「大寺先生​───。僕を支配者クラブに入れてくれませんか?」

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