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──拝啓、支配様

第4章 4

やった。と、叫んでもいい。

だって、勝ったのは僕なんだから。

だったら誇るという意味合いを込めて、僕が何かを発言するのもいいかもしれない。

そう思ったところで都合良く大寺が
「彼、宮本愛次くんを、我が支配者倶楽部のメンバーに正式に加えたいんだ」
そう、大きな声で告げた。

告げてくれた、どこか誇らしいような、その裏で悔しさを隠すような声色でだ。

彼は、僕を認めてくれたんだ。

ならやっぱり誇るべきだ。

恐らく、この流れでいけば、僕は自己紹介を促されるだろう。

僕は笑顔を浮かべ、息を含んだ。


だが、次の瞬間にそれは阻止された。

「​──反対だわ!」

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