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──拝啓、支配様

第4章 4

嗚呼、やっぱり僕は彼に勝ったんだ! 彼がそう認める程には僕はいい立ち回りをして勝ったんだ。
やった! ざまあみろ!

とても自信がついた。

其れは、今まで感じた事の無いほどの自信だった。

どれだけ両親に誉められようと、沸いて来なかった自信だ。

いつも空虚な日々を送ってきた、僕には与えられなかった感動だ。

何故って? だってこれは、僕自身がやった事なんだから。

誰にも言われずに僕が決めて、僕が考えて大寺を出し抜いたんだ。

大きな恐怖と、大きな好奇心の中で、掴んだ成果なんだ。

やった……。

大きな達成感と幸福感の中、皆の顔を見た。
皆、唖然としていた。
其れ程に事は大きかったのだろう。

大寺は言葉を続ける。それは僕の自信を大きくする。

大寺の声は​、後悔と憎しみが滲んでいた。

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