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AI時代のヌードモデル

第4章 AIには出来ないこと

数日後。
少年は私の部屋にいた。

私のヌードを描いてくださいと、モデルから画家へ逆に依頼したわけだ。

ガウンをはらりと落とせば、もう私は素っ裸。
そのままベッドにあがり、いきなりM字開脚。
いちおう、上体をのけぞらせ、芸術的ポーズということにはした。

AIヌード娘にできないこと──性器を見せること。

当然のように美術用のAI映像には性器と肛門が省略された。
それでこそ、究極の美体ということらしい。
(ちなみに、恥毛はオプションとなった)

生身のモデルを使うのは性器を見たいからだ、なんていうコメントは、表向きは、無かった。
そう言うあなたが一番見たいんだ、という冷静な批判が予測できたからだろう。

とにかく今は、M字開脚。
悩ましい表情つきで。

AIも表情は変えられる。
だが限界があるだろうというのが私の持論だ。
そもそも性的な表情は用意されていないだろう。

私はAIには絶対にできないことをやっているんだ。

そして、これから、絶対に生身にしかできないことをする。

すなわち、童貞を終わらせること。

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