ハズビンBL ルシアダ/アダアラ
第1章 ルシアダがチェスを興じて楽しく会話するだけ
「ああ、だから王様自ら参戦してくるなんて予想外だったよ。大体、昇天すらできない屑が何人消滅したってどうでもいいだろうが。むしろ、あんたが放置して無秩序にビッチが増えまくる地獄を片付けてやってたんだぞ。感謝してほしいくらいだ」
「放置したのは私だけじゃない。お前の元妻もだろう」
それを言われると耳が痛いんだよ。
どんな愉快な顔をしているかと睨みつければ、意外にも寂しそうに口の端を下げている。
「お前は知らないだろう。私がどれほどの邪悪さを見せつけられてきたか。天国に訴えたところで何一つ変わらない無力さが。永遠に物事がよくなることはないと思った」
「おいおい。ボドゲくらい楽しくやろうぜ。暗いんだよ」
どんどん落ちていく声のトーンに、居心地の悪い空気が下りてくる。そういえば自分の番だったと思い出し、ポーンを取りつつクイーンの斜め向かいにビショップを曝け出す。
こんな稚拙な手に食いつくような相手じゃないのは百も承知だ。後ろ盾のルークが見えていないはずはない。
「放置したのは私だけじゃない。お前の元妻もだろう」
それを言われると耳が痛いんだよ。
どんな愉快な顔をしているかと睨みつければ、意外にも寂しそうに口の端を下げている。
「お前は知らないだろう。私がどれほどの邪悪さを見せつけられてきたか。天国に訴えたところで何一つ変わらない無力さが。永遠に物事がよくなることはないと思った」
「おいおい。ボドゲくらい楽しくやろうぜ。暗いんだよ」
どんどん落ちていく声のトーンに、居心地の悪い空気が下りてくる。そういえば自分の番だったと思い出し、ポーンを取りつつクイーンの斜め向かいにビショップを曝け出す。
こんな稚拙な手に食いつくような相手じゃないのは百も承知だ。後ろ盾のルークが見えていないはずはない。