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Kalraの怪談

第30章 三十夜目◯:猿の家

☆☆☆
私も子供の怖がる様に当てられたのか、なんだかこの部屋は落ち着かない。夜も寝られるには寝られるのだが、朝は体がバキバキに凝っていて、寝た気がしない。

そのうち、おかしな夢を見るようになった。
夢の中で、私は見知らぬ古い日本家屋のようなところにいる。10畳くらいの畳敷きの広間だ。左手を見ると襖が開け放たれており、その奥に廊下が見える。廊下は少し行くと左手に曲がることができる。そこは真っ直ぐの廊下と左手に曲がることができる廊下がぶつかるT字路になっているというわけだ。廊下はさらにまっすぐ続いており、6−7メートル先で壁にぶつかる。そこもT字路で、左右に廊下が続いている。

そして、自分は、その最初の左手に折れる廊下の部分をじっと見ているのだ。
そこが妙に気になる。

というより、怖い。怖くて目が離せないのだ。

夢としてはこれだけであるが、目が覚めると汗がびっしょりになっていて、体は強張っていたのだった。

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