Kalraの怪談
第3章 三夜目:ホシガリサマ
その日、帰り道、私はA子と駅まで一緒に歩いていた。
その途中、A子がふいに口を開いた。
「実はね、私、お願いしたことあるの。この話を知っていたのにね。お願いは他愛もないもの。その時、好きだった男の子と付き合えますように、って」
「え?」
私はA子が声のトーンを落として真面目に話すので、本当のことかと思った。でも、すぐに、冗談だと気づいた。さっきの話の続きで私を怖がらせようとしているんだって。
「冗談でしょう?」
「ううん、さっきの女の子、実は私の事。犬のメイ、大事だったのに死んじゃった。私、悲しかったんだ」
A子はまだ話し続ける。なんだか様子がオカシイ・・・。
冬の日が落ちるのは早い。すでにあたりは真っ暗だ。コートを着ていても、冷気が体にしみてくるようだ。
駅までの間の、少し寂しい道に差し掛かる。
「それも、お話なんでしょう?」
私はA子に言った。このなんだか嫌な雰囲気を変えたかった。
「私、思いついたんだ。ダイジナモノをなくさないで願いを叶えて貰う方法。大事じゃないものを大事にすればいいんだって。」
「私、どうしても行きたい高校があるの。その男の子が行く高校。あの人は推薦で受かってしまった。私どうしてもその学校に行きたいの。だから、一昨日の日曜日。ホシガリサマのところに行ったの。」
街灯の下、A子は立ち止まる。
A子が私の方を見た。その目には前髪の影が昏く落ちている。
「私ね、ホントはあなたのような子、あんまり好きじゃないんだ。暗いじゃない、あなた。
でも、あなたは私が友達でよかったでしょ?」
「何を・・・言っているの?」
「あなたのこと大事にしたわよ。色んな所にも連れて行ったし、最初はタイプじゃなかったけど、いいところもあるなと思ったの、ホントよ。」
「でも、あの人と同じ高校に行くことに比べれば・・・
あたなは『イラナイ』」
A子はニッと笑った。
その途中、A子がふいに口を開いた。
「実はね、私、お願いしたことあるの。この話を知っていたのにね。お願いは他愛もないもの。その時、好きだった男の子と付き合えますように、って」
「え?」
私はA子が声のトーンを落として真面目に話すので、本当のことかと思った。でも、すぐに、冗談だと気づいた。さっきの話の続きで私を怖がらせようとしているんだって。
「冗談でしょう?」
「ううん、さっきの女の子、実は私の事。犬のメイ、大事だったのに死んじゃった。私、悲しかったんだ」
A子はまだ話し続ける。なんだか様子がオカシイ・・・。
冬の日が落ちるのは早い。すでにあたりは真っ暗だ。コートを着ていても、冷気が体にしみてくるようだ。
駅までの間の、少し寂しい道に差し掛かる。
「それも、お話なんでしょう?」
私はA子に言った。このなんだか嫌な雰囲気を変えたかった。
「私、思いついたんだ。ダイジナモノをなくさないで願いを叶えて貰う方法。大事じゃないものを大事にすればいいんだって。」
「私、どうしても行きたい高校があるの。その男の子が行く高校。あの人は推薦で受かってしまった。私どうしてもその学校に行きたいの。だから、一昨日の日曜日。ホシガリサマのところに行ったの。」
街灯の下、A子は立ち止まる。
A子が私の方を見た。その目には前髪の影が昏く落ちている。
「私ね、ホントはあなたのような子、あんまり好きじゃないんだ。暗いじゃない、あなた。
でも、あなたは私が友達でよかったでしょ?」
「何を・・・言っているの?」
「あなたのこと大事にしたわよ。色んな所にも連れて行ったし、最初はタイプじゃなかったけど、いいところもあるなと思ったの、ホントよ。」
「でも、あの人と同じ高校に行くことに比べれば・・・
あたなは『イラナイ』」
A子はニッと笑った。