テキストサイズ

Kalraの怪談

第36章 三十六夜目:鬼送り

☆☆☆
「最近、うちの学校で流行っているいじめなんだけどさ。なんか変なんだよね。」

A子が言うにはここ数ヶ月、子どもたちの中で『無視』が流行っているということだ。ターゲットがコロコロ変わり、遊びなのか、いじめなのか、判別が難しいらしい。
「なんか、”鬼をつけた”とか、そういう事を言っているの。鬼ごっこかなにかなのかなと思っていたんだけどね。」
そんなある日、A子が担任をしているクラスのT子が、A子に不思議なことを言ってきたのだそうだ。

「ねえ、先生、じゃんけんしない?じゃんけんで私が勝ったら、鬼を送っていってほしいんだけど、いい?」
どういう意味?私が尋ねると、A子も首を振った。
「結局、私が勝ったんだけどね。その後T子が話してくれたのが気味の悪い話でさ」

A子はこれが最近流行っているいじめのことだと直感して、T子を職員室に呼んで話を聞いた。
「鬼ってどういう意味?」
T子はしばらくモジモジしていたが、ポツポツと話をしてくれた。

ストーリーメニュー

TOPTOPへ