
Kalraの怪談
第39章 三十九夜目:ゴーストアプリ
「ここ最近、繰り返し、こういうメッセージが届くの」
T子はL子にスマホのアプリを開いてみせた。そこには連続してメッセージが並んでいた。
「くらい」
「あな」
「ちち」
「あかり」
「あな」
「よる」
「あな」
「ちち」
「よる」
「ひとり」
「N」
「やま」
「くらい」
「よる」
「だれか」
「あな」
「くらい」
「あかり」
「あかり」
「はやく」
「だいたい、最近、こういう感じなの」
T子は言う。
「これって、N神社の上にある風穴にお父さんがいて、夜は暗くて寂しいから、明かりを持ってきてほしいって、そういうことかもしれないって」
T子が言うには、N神社から少し登ったところにある風穴は、昔、このあたりで土葬が行われていたとき、死者を埋葬するのに使われていたとのことだった。昔から死者が集うところとされてきたのだ。
「お父さん、山で遭難して、亡くなってしまったけど、魂だけが家の近くに戻ってきて、風穴にいるんじゃないかって、それを教えようとしているんじゃないかって思うの」
だから、ろうそくを供えに行きたいが、一人では怖いのでL子に一緒に行ってほしいというわけだった。正直、L子は嫌だなと思ったけど、T子があまりにも熱心だったので、つい承諾してし、その週の週末、金曜日の夜に一緒にN神社の風穴に行くことになってしまった。
昼に行くんじゃだめなの?と問うと、実は、すでに昼間には行ったらしい。昼に行って、ろうそくを供えてきたというのだ。それでも、メッセージがやまなかったので、いよいよ夜に行くしかない、そう思ったという。
そして、金曜日、初夏とはいえ、まだ肌寒い中、18時過ぎに待ち合わせをして、二人してN神社を目指す。
N神社は宮司がいない小さなお社で、参拝する人もほとんどいない。というわけで、道もさほど整備されていない。麓からはなんだかんだいって30分以上かかるところにあった。待ち合わせた頃はまだ陽があったが、神社につく頃にはすっかり暗くなっていた。風穴は、神社の本殿の横を抜け、ここから更に15分ほど上がったところにあるという。
T子はL子にスマホのアプリを開いてみせた。そこには連続してメッセージが並んでいた。
「くらい」
「あな」
「ちち」
「あかり」
「あな」
「よる」
「あな」
「ちち」
「よる」
「ひとり」
「N」
「やま」
「くらい」
「よる」
「だれか」
「あな」
「くらい」
「あかり」
「あかり」
「はやく」
「だいたい、最近、こういう感じなの」
T子は言う。
「これって、N神社の上にある風穴にお父さんがいて、夜は暗くて寂しいから、明かりを持ってきてほしいって、そういうことかもしれないって」
T子が言うには、N神社から少し登ったところにある風穴は、昔、このあたりで土葬が行われていたとき、死者を埋葬するのに使われていたとのことだった。昔から死者が集うところとされてきたのだ。
「お父さん、山で遭難して、亡くなってしまったけど、魂だけが家の近くに戻ってきて、風穴にいるんじゃないかって、それを教えようとしているんじゃないかって思うの」
だから、ろうそくを供えに行きたいが、一人では怖いのでL子に一緒に行ってほしいというわけだった。正直、L子は嫌だなと思ったけど、T子があまりにも熱心だったので、つい承諾してし、その週の週末、金曜日の夜に一緒にN神社の風穴に行くことになってしまった。
昼に行くんじゃだめなの?と問うと、実は、すでに昼間には行ったらしい。昼に行って、ろうそくを供えてきたというのだ。それでも、メッセージがやまなかったので、いよいよ夜に行くしかない、そう思ったという。
そして、金曜日、初夏とはいえ、まだ肌寒い中、18時過ぎに待ち合わせをして、二人してN神社を目指す。
N神社は宮司がいない小さなお社で、参拝する人もほとんどいない。というわけで、道もさほど整備されていない。麓からはなんだかんだいって30分以上かかるところにあった。待ち合わせた頃はまだ陽があったが、神社につく頃にはすっかり暗くなっていた。風穴は、神社の本殿の横を抜け、ここから更に15分ほど上がったところにあるという。
