
Kalraの怪談
第40章 四十夜目:死者の手稿
Cさんの店では民俗学に関する本も扱っており、Cさん自身もそのような分野に興味があった。手稿が読みやすくもあったので、気がつくと熱中して読んでしまっていた。手稿は後半になると、先程のN県S村の記載が多くなる。どうやら、この村の伝承に非常に興味があったようだった。
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昭和53年10月11日 N県S郡S村 Y.Dさん95歳女性
祖母から聞いた話では、S森にはアカネガミが棲んでいるという。アカネガミがなんだかは知らない。森に入ってアカネガミを見ると帰ってこれないという。
生きたまま死んでしまうと言われている。
<考察>
森に住む神の典型か?禁忌の象徴
生きたまま死ぬとはどういう意味か?ただ死ぬだけではない?神隠しの意味か?
昭和53年10月12日 N県S郡S村 Y.Sさん62歳男性
S森に入ると帰ってこれないという話は小さい頃からよく聞かされている。でも、自分が聞き及ぶ範囲では少なくともS森で遭難した人はいない。
S森自体も大きな森でもなく、滑落しそうな崖などもない。
なんで、あんな伝承があるのか不明。
<考察>
「帰ってこれない」という伝承は根強くある様子。
村長に頼んでS森に入る許可を取れないか?
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昭和53年10月20日 N県S郡S村 K.Kさん52歳男性 現村長
民俗学の研究のため、というと最初は渋っていたが、この村の神隠し伝承は非常に特異なものであり、研究対象として貴重であることを説明し、説き伏せた。最終的にはS村の伝承をまとめて自費出版したいというと、喜んでくれる。
調査許可をもらう。
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このあと、数ページに渡り、合計四回、S森の実踏を行った記載がある。写真やスケッチがあり、Rさんが熱心に調査をした様子が伺える。
Cさんはとあるページに目が止まる。
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昭和53年10月11日 N県S郡S村 Y.Dさん95歳女性
祖母から聞いた話では、S森にはアカネガミが棲んでいるという。アカネガミがなんだかは知らない。森に入ってアカネガミを見ると帰ってこれないという。
生きたまま死んでしまうと言われている。
<考察>
森に住む神の典型か?禁忌の象徴
生きたまま死ぬとはどういう意味か?ただ死ぬだけではない?神隠しの意味か?
昭和53年10月12日 N県S郡S村 Y.Sさん62歳男性
S森に入ると帰ってこれないという話は小さい頃からよく聞かされている。でも、自分が聞き及ぶ範囲では少なくともS森で遭難した人はいない。
S森自体も大きな森でもなく、滑落しそうな崖などもない。
なんで、あんな伝承があるのか不明。
<考察>
「帰ってこれない」という伝承は根強くある様子。
村長に頼んでS森に入る許可を取れないか?
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昭和53年10月20日 N県S郡S村 K.Kさん52歳男性 現村長
民俗学の研究のため、というと最初は渋っていたが、この村の神隠し伝承は非常に特異なものであり、研究対象として貴重であることを説明し、説き伏せた。最終的にはS村の伝承をまとめて自費出版したいというと、喜んでくれる。
調査許可をもらう。
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このあと、数ページに渡り、合計四回、S森の実踏を行った記載がある。写真やスケッチがあり、Rさんが熱心に調査をした様子が伺える。
Cさんはとあるページに目が止まる。
