
Kalraの怪談
第41章 四十一夜目:ずるい
☆☆☆
それから半年近くがたった。
B子の怪我もすっかり癒え、日常生活が普通に送れるようになってきた。前は毎日のように思い出しては涙を流していたK子の事故のことを思い出すことも徐々に減っていた。
実は、件のアーティストのライブも開催されていたが、K子とのことを思い出してしまうせいか、行くことを避けてきていた。しかし、ここに来て、友人のN子から誘われて、久しぶりにライブのチケットを買ってみた。
そして、いざ買ってみるとやはり楽しみだ。週末にライブがあると思うだけで日々の生活が生き生きとするようだった。ああ、自分はやっぱり彼らの事が好きなんだなーと実感していた。
ライブまであと10日、と迫ったとき、B子は夢を見た。
K子の夢だった。
夢の中、K子は
『私も行きたかったのに』
『なんでBちゃんだけ』
『一緒に来てくれるよね?』
と訴えていた。
K子も一緒にライブに行きたかったのかと思ったが、B子は『断らなきゃ』と感じたそうだ。それで、K子に一緒には行けない、と言った。
夢の中でK子はとてもがっかりした顔をしていた。
妙な夢を見たものだと思ったが、夢はその日限りだったので大して気にも止めなかった。
ところが、一緒に行こうと言ってきた当のN子が、突然行かれなくなった、と自分の分のチケットをB子に押しつけるように渡してきた。
理由を聞いてもはっきりしたことは言わない。とにかく行かれなくなったというのだ。
更に不思議なことがあった。
ライブの3日前、K子の母親から久しぶりに電話があった。
「B子ちゃん、ちょっと言いにくいんだけど」
そう言うと、件のアーティストのライブに、K子の遺影を持って行ってほしいというのだ。
どうして自分がライブにいくことを知っていたのか?と聞いてみると、やっぱり、ともらして、こう続けた。
「夢にKちゃんが出てきて、言ったのよ。それで、いっしょに連れてってほしいのかなと」
数日前のK子の出てきた夢を思い出して、B子はちょっと背筋が寒くなった。
K子はやっぱりライブに行きたいのだろうか?もしかして、N子が行かれなくなったのも・・・等と考えていた。
とにかく、親友が夢で訴えているのだから、と思い、K子の母親から遺影を受け取り、B子は一人でライブにいくことにした。チケットは1枚余るが、とうてい誰かを誘う気にはなれなかった。
それから半年近くがたった。
B子の怪我もすっかり癒え、日常生活が普通に送れるようになってきた。前は毎日のように思い出しては涙を流していたK子の事故のことを思い出すことも徐々に減っていた。
実は、件のアーティストのライブも開催されていたが、K子とのことを思い出してしまうせいか、行くことを避けてきていた。しかし、ここに来て、友人のN子から誘われて、久しぶりにライブのチケットを買ってみた。
そして、いざ買ってみるとやはり楽しみだ。週末にライブがあると思うだけで日々の生活が生き生きとするようだった。ああ、自分はやっぱり彼らの事が好きなんだなーと実感していた。
ライブまであと10日、と迫ったとき、B子は夢を見た。
K子の夢だった。
夢の中、K子は
『私も行きたかったのに』
『なんでBちゃんだけ』
『一緒に来てくれるよね?』
と訴えていた。
K子も一緒にライブに行きたかったのかと思ったが、B子は『断らなきゃ』と感じたそうだ。それで、K子に一緒には行けない、と言った。
夢の中でK子はとてもがっかりした顔をしていた。
妙な夢を見たものだと思ったが、夢はその日限りだったので大して気にも止めなかった。
ところが、一緒に行こうと言ってきた当のN子が、突然行かれなくなった、と自分の分のチケットをB子に押しつけるように渡してきた。
理由を聞いてもはっきりしたことは言わない。とにかく行かれなくなったというのだ。
更に不思議なことがあった。
ライブの3日前、K子の母親から久しぶりに電話があった。
「B子ちゃん、ちょっと言いにくいんだけど」
そう言うと、件のアーティストのライブに、K子の遺影を持って行ってほしいというのだ。
どうして自分がライブにいくことを知っていたのか?と聞いてみると、やっぱり、ともらして、こう続けた。
「夢にKちゃんが出てきて、言ったのよ。それで、いっしょに連れてってほしいのかなと」
数日前のK子の出てきた夢を思い出して、B子はちょっと背筋が寒くなった。
K子はやっぱりライブに行きたいのだろうか?もしかして、N子が行かれなくなったのも・・・等と考えていた。
とにかく、親友が夢で訴えているのだから、と思い、K子の母親から遺影を受け取り、B子は一人でライブにいくことにした。チケットは1枚余るが、とうてい誰かを誘う気にはなれなかった。
