
Kalraの怪談
第42章 四十二夜目:黒い人
やっと動けるようになった私は、音を立てないよう、大急ぎで玄関から逃げ出すと、一目散に母がいるという寄り合い所に向かいました。
大叔母から言われたことを伝えると、母は真っ青になり、震えてしまいました。
母が連絡し、父が来て、3人で家に戻ったのは、もう、夕暮れ時も過ぎた頃でした。家には救急車と数台のパトカーがきており、大騒ぎになっていました。母も、父も、警察から事情聴取を受けるということで、そのまま警察署に連れて行かれてしまいました。
当時10歳だった私には、あまりたくさんのことは教えてもらえませんでしたが、後で新聞を読んだり、大人たちから伝え聞いたところでは、姉が祖母を殺し、止めようとした大叔母が誤って姉を殺してしまった、とそういう事になっていました。
大叔母は逮捕され、実刑判決を受けました。
私達一家はそれがきっかけで生家を去り、同じ県の市部に引っ越したのでした。
私が中学生に上がったとき、大叔母に会う機会がありました。
刑務所での面会でした。
大叔母は思っていたより元気そうで安心しました。刑務所というとひどい環境を想像していましたが、そうでもないようです。
「あなたには、あの日何が起こったか、ちゃんと伝えておかなきゃいけないね」
そう言って、話し始めました。
大叔母から言われたことを伝えると、母は真っ青になり、震えてしまいました。
母が連絡し、父が来て、3人で家に戻ったのは、もう、夕暮れ時も過ぎた頃でした。家には救急車と数台のパトカーがきており、大騒ぎになっていました。母も、父も、警察から事情聴取を受けるということで、そのまま警察署に連れて行かれてしまいました。
当時10歳だった私には、あまりたくさんのことは教えてもらえませんでしたが、後で新聞を読んだり、大人たちから伝え聞いたところでは、姉が祖母を殺し、止めようとした大叔母が誤って姉を殺してしまった、とそういう事になっていました。
大叔母は逮捕され、実刑判決を受けました。
私達一家はそれがきっかけで生家を去り、同じ県の市部に引っ越したのでした。
私が中学生に上がったとき、大叔母に会う機会がありました。
刑務所での面会でした。
大叔母は思っていたより元気そうで安心しました。刑務所というとひどい環境を想像していましたが、そうでもないようです。
「あなたには、あの日何が起こったか、ちゃんと伝えておかなきゃいけないね」
そう言って、話し始めました。
