
Kalraの怪談
第45章 四十五夜目🌕️:精神病院にて
☆☆☆
「どう思う?」
Hは私の顔を覗き込むように言う。
「Rさんは、初診時は『夫』が別のなにかに替わってしまった、と言っていたけど、最後の診察では『夫』が家にいて怖い、殺されるかもしれないと言っていた。」
言うことが変わっている。
「普通に考えれば、レビー小体型認知症が進行し始め、判断力が低下している中、夫が別の何かに替わってしまったと思い込み、殺してしまった。その後、その罪の意識もあって夫の幻視を見るようになった、というストーリーが一番しっくり来る。もしかしたら、夫が酒飲みで散々DVを受けたという過去歴も関係しているかもしれない。」
でも・・・、と続ける。
「だったら、待合室で俺が見た、あの男性は誰だ?」
警察に見せられたRさんの夫の写真は、
間違いなく、あの日、待合室で見た男性だった、という。
その日には、すでに死んでいたはずの男性だ。
「どう思う?」
Hは私の顔を覗き込むように言う。
「Rさんは、初診時は『夫』が別のなにかに替わってしまった、と言っていたけど、最後の診察では『夫』が家にいて怖い、殺されるかもしれないと言っていた。」
言うことが変わっている。
「普通に考えれば、レビー小体型認知症が進行し始め、判断力が低下している中、夫が別の何かに替わってしまったと思い込み、殺してしまった。その後、その罪の意識もあって夫の幻視を見るようになった、というストーリーが一番しっくり来る。もしかしたら、夫が酒飲みで散々DVを受けたという過去歴も関係しているかもしれない。」
でも・・・、と続ける。
「だったら、待合室で俺が見た、あの男性は誰だ?」
警察に見せられたRさんの夫の写真は、
間違いなく、あの日、待合室で見た男性だった、という。
その日には、すでに死んでいたはずの男性だ。
