
Kalraの怪談
第46章 四十六夜目:呼ぶ子
「K子の親を通じて、その話を聞いたんだ。K子にも話を聞いた。なので、随分と細かい記録があるよ」
T先生はボロボロのノートを取り出してめくりながら話を続ける。
こんな事があってから、すっかりK子は水が怖くなり、風呂にもプールにも入らなくなった。学校にも来なくなったし、T先生の私塾も休むようになった。
K子さんはどうなったのかと尋ねると、「結論を言えば、そのときには呼ばれなかったんだ」と言う。
すっかり困り果てたK子の親は、K子を東京の親戚筋に預けることにした。伝え聞いた話によると、K子は徐々に元気を取り戻し、学校にも通えるようになったという。
「K子は無事に就職もしてな。結構大きな企業に勤めていたんだよ」
不思議とR子のところには呼ぶ子は現れなかったらしい。
R子は村で普通に成長し、2児の母親になった。
「K子が村を出て、12〜3年経った頃か、小学校の同級生で同窓会をしようという話になったようで、K子にも招待状が行ったらしい。」
K子の母親によると、K子は散々迷ったようで、母親にも電話をかけてきていた。
この時、K子は結婚を控えていた。ちょうど、両親にもその詳しい報告をする必要もあったのだろう。そんなこともあり、結局K子は来ることにしたようだ。
同窓会は村の公民館で飲み食いするというありきたりなものだった。村の民宿や食堂の主が協力して料理や酒を用意し、皆、昔語りに花を咲かせ、盛況だった。
やれ、誰と誰が好きあっていただの、
なんとか先生はテストが多くて嫌だっただの、
水泳の授業ではいつもS子が居残りだっただの、
K子は昔、意外と気が強くてガキ大将風だっただの、
語り始めたら切りがなかった。K子も結局は随分楽しい思いをしたようだった。
「でもな、K子の元気な姿を見たのは、それが最後だった。」
翌朝、実家で寝泊まりをしていたはずのK子は寝床から姿を消していた。
寝床はビショビショに濡れており、K子の荷物も何もかもそのままだったので、行方不明事件として警察が介入して捜査が始まった。
まさか、とは思うが・・・。
「そう、結局、K子は呼ぶ子沢に浮いていたんだ」
呼ぶ子沢で発見されたK子の表情は恐怖に歪んでいたという。
T先生はボロボロのノートを取り出してめくりながら話を続ける。
こんな事があってから、すっかりK子は水が怖くなり、風呂にもプールにも入らなくなった。学校にも来なくなったし、T先生の私塾も休むようになった。
K子さんはどうなったのかと尋ねると、「結論を言えば、そのときには呼ばれなかったんだ」と言う。
すっかり困り果てたK子の親は、K子を東京の親戚筋に預けることにした。伝え聞いた話によると、K子は徐々に元気を取り戻し、学校にも通えるようになったという。
「K子は無事に就職もしてな。結構大きな企業に勤めていたんだよ」
不思議とR子のところには呼ぶ子は現れなかったらしい。
R子は村で普通に成長し、2児の母親になった。
「K子が村を出て、12〜3年経った頃か、小学校の同級生で同窓会をしようという話になったようで、K子にも招待状が行ったらしい。」
K子の母親によると、K子は散々迷ったようで、母親にも電話をかけてきていた。
この時、K子は結婚を控えていた。ちょうど、両親にもその詳しい報告をする必要もあったのだろう。そんなこともあり、結局K子は来ることにしたようだ。
同窓会は村の公民館で飲み食いするというありきたりなものだった。村の民宿や食堂の主が協力して料理や酒を用意し、皆、昔語りに花を咲かせ、盛況だった。
やれ、誰と誰が好きあっていただの、
なんとか先生はテストが多くて嫌だっただの、
水泳の授業ではいつもS子が居残りだっただの、
K子は昔、意外と気が強くてガキ大将風だっただの、
語り始めたら切りがなかった。K子も結局は随分楽しい思いをしたようだった。
「でもな、K子の元気な姿を見たのは、それが最後だった。」
翌朝、実家で寝泊まりをしていたはずのK子は寝床から姿を消していた。
寝床はビショビショに濡れており、K子の荷物も何もかもそのままだったので、行方不明事件として警察が介入して捜査が始まった。
まさか、とは思うが・・・。
「そう、結局、K子は呼ぶ子沢に浮いていたんだ」
呼ぶ子沢で発見されたK子の表情は恐怖に歪んでいたという。
