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Kalraの怪談

第46章 四十六夜目:呼ぶ子

ただ、3つ目、を考えた時、ちょっと私に違う仮説が浮かんできてしまいました。

同窓会での話では、S子は泳ぎが上手ではなかったと言っていました。いつもプールの授業で居残りをさせられる子が、果たして自分から足のつかない淵に入るでしょうか?K子はいじめっ子だったというR子の言葉から察すると、もしかしたら無理やり淵に連れて行かれたのかもしれません。

そして、もし、この同窓会で初めて『S子が泳ぎが得意ではないこと』『K子がガキ大将だったこと』を知った『誰か』、がいたとしたら・・・。

呼ぶ子がK子にだけ怪異を働いたこと、K子がガキ大将だったこと、S子が泳げなかったこと。
これらが組み合わさって、その『誰か』の中で、事件の真相を教えたのかもしれません。

K子が、泳げないS子を無理やり淵に突き落とした・・・という真相を、です。

その真相を知って、K子を殺したいほど憎んだ人、それこそが、12年目に現れた、『呼ぶ子』の本当の正体ではないか・・・と。

ただ関係者はすべて死んでしまいました。
もしかしたらT先生は何かを知っているかもしれません。

私はこれ以上深入りするつもりは・・・ありません。

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